検査・検診

区健診

当院では区健診に対応しております。区健診(特定健康診査、長寿健康診査)は40歳以上で世田谷区の保険証もしくは世田谷区民で後期高齢者保険証をお持ちの方を対象としております。
内科で眼科の検査が必要となった方は、

  • 受診券
  • 受診票
  • 保険証(後期高齢者医療費保険者証)

をお持ちの上ご来院ください。

眼科検診

眼科検診眼科疾患では、根治が困難な疾患も多く、視力を維持する、疾患の進行を遅らせる治療しかできない場合も多くあります。さらに、初期症状では自覚症状がほとんどなく進行し、視力の大幅な低下など重篤な症状が突然現れる疾患もあります。しかし、定期的な眼科検診を行うことで早期に発見することは可能であり、初期の段階で治療を開始することができれば、疾患の進行を遅らせる治療が可能です。眼科疾患のリスクが高まる40歳を超えたら一度眼科検診を受けることが、目の健康を長く保つことにとても重要です。症状がなくても年に一度は眼科検診や診察を受けることをおすすめいたします。

眼科検診で行うこと

問診

病歴の確認や特殊なリスク要因(既往歴や現病歴、内服薬など)の有無について確認を行います。その後各種検査を行いますが、問診で得られる情報は病気の早期発見にとても重要となります。

検査

主に以下の検査を行います。

  • 視力
  • 色覚検査
  • 眼筋の協調
  • まぶたの検査
  • 周辺視野
  • 眼球内部と眼底の検査
  • 瞳孔反応
  • 眼圧測定

健康診断で要精密検査の方へ

健康診断・人間ドックを受けて「要再検査」が出た方は、速やかに当院にて、精密検査を受けることを推奨します。どの疾患にも言えることですが、早めに発見して治療を受けることが大事です。「忙しいから」「怖い病気が見つかったらどうしよう」という考えで、再検査を先延ばしにすることは避けましょう。

健康診断・人間ドックで指摘される診断名

視力低下

健康診断や人間ドックで実施される視力検査は基本的に、矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズを装着した時の視力)を測る検査です。
矯正視力が1.0以上の場合は特に問題ありませんが、0.7〜0.9は「要注意」、0.7以下の場合は「異常」と判定されます。なお、裸眼視力(眼鏡やコンタクトレンズを装着しない状態での視力)と矯正視力を両方とも測った場合は、検査結果の表にそれぞれ記入されます。裸眼視力は括弧の左側に記載されていて、矯正視力が括弧内に記入されています。
ただし、健康診断で実施される視力検査は、専用の検査機を覗いて行うタイプがほとんどで、実際の視力よりも低めに出されることもあります。
また、お手持ちの眼鏡やコンタクトレンズで、裸眼視力がどれくらい矯正できているのかを確認することも大切です。以前より視力が下がってきた方は特に、眼科で視力検査を受け、眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っているかなどを確認しましょう。
検査を受けに当院へお越しいただく際は、ご自身の眼鏡・コンタクトレンズを必ずお持ちください。

加齢黄斑変性症

黄斑部が老化によって衰えてしまう疾患です。黄斑部とは、網膜の中で最も視神経や細胞が集まっている組織で、ものを細かく見る働きをしています。格子状に書かれた図がゆがんで見えてしまう変視症など、あらゆる視覚症状を生じる特徴があります。
50歳以上の100人に1人以上が発症すると言われている疾患で、日本人の中途失明原因の第4位を占めています。進行すると失明に至るリスクはありますが、進行を食い止めたり遅らせたりする治療法は開発されていますので、まずは当院へご相談ください。

高眼圧

目の内部は房水(ぼうすい)という液体で満たされています。房水は目の中にある毛様体で作られ、血管がない組織に栄養などを届ける役割を持ち、目の縁にある隅角(ぐうかく)という場所から流れて静脈へ排出されます。房水の圧力によって、眼球は一定の硬さ・形をキープできていて、その圧力を「眼圧」と呼びます。正常値は10〜21mmHgで、正常値より高いと「高眼圧」になります。高眼圧になると、眼球のあらゆる組織に悪影響を与えてしまいます。眼圧が高いと緑内障の可能性が高まるため、精密検査を受けていただく必要があります。

視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)

眼底には視神経が多く集まっていて、脳へ向かっている部分である「視神経乳頭」があります。通常、視神経乳頭は眼球の内側から見ると、少しへこんでいます。このへこみが「視神経乳頭陥凹(ししんけいにゅうとうかんおう)」です。眼底検査では、陥凹部が通常より大きくなっていないかも調べていきます。ただし生まれつき、陥凹部が平均より大きい方もいるため、「陥凹部が大きいから何らかの疾患がある」と断言することはできません。とはいえ、緑内障によって陥凹部が大きくなるケースもあるため、精密検査を受けていただく必要はあります。精密検査では、OCT検査と視野検査などを受けていただきます。

眼底出血

網膜に酸素・栄養素を与える血管は極めて細いため、あらゆる疾患によって破れたり出血したりすることがあります。中でも、高血圧性網膜症や網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などは、眼底出血を引き起こす疾患だと言えます。
にじみ出た血液や成分などで網膜がむくんでしまい、視力に悪影響を与えることもあります。また、不足している栄養を補おうと、新生血管がつくられることもあります。新生血管は通常の血管よりも脆くて破れやすいため出血しやすく、大量出血による大幅な視力低下を引き起こしてしまいます。
人間ドックで眼底出血や新生血管が見つかった時は、眼科で精密検査を受ける必要があります。精密検査では散瞳薬(さんどうやく)をさして、瞳孔を拡げて目の内部を細かく観察します。また、OCT検査では3D画像を表示し、目の内部の解析なども行います。
散瞳薬の効果は最大4〜5時間ほど持続するため、効果が切れるまでの間はいつもより眩しく感じやすいです。そのため、精密検査を受けていただく当日は、車・自転車・バイクなどを運転してのご来院はお控えください。また、晴れた日などは太陽の光で目が痛んでしまう可能性がありますので、サングラスなどを装着していただくことをお勧めします。

網膜神経線維層欠損

視神経乳頭から扇状に広がっている視神経繊維が、ダメージを受けてしまっている状態です。緑内障の初期に現れる症状とされ、眼底検査で確認することができます。欠損が進行すると、視野が欠けるといった症状が起こるため、精密検査を受けていただく必要があります。緑内障の精密検査は、眼圧検査や視野検査に加えて、隅角検査(房水の出口である隅角が目詰まりを起こしていないかを調べる検査)も行います。

黄斑前膜線維症(網膜前膜)

目の中にある硝子体(ゼリー状の物質)は老化に伴って萎縮していき、徐々に網膜から剝がれていきます。これは老化現象ですので、歳を取ると誰にでも起こります。しかし中には、網膜と硝子体との癒着が強いことで、剥がれる時に硝子体の組織が一部残ってしまうケースもあります。残ってしまった硝子体の組織が、網膜の前に膜のようになって張り付いてしまう状態を「黄斑前線維症(網膜前膜)」と言います。
膜が徐々に厚くなると網膜がひきつれてしまうため、ものがゆがんで見える変視症や視力低下などが生じます。
網膜の前に膜が張ることで視力低下を招きますが、失明になることはありません。しかし、QOL(生活の質)の大幅な低下を招いてしまうため、詳しい検査と治療を受けていただく必要があります。
検査では、「アムスラーチャート(格子状の図形)」を使って変視症の有無を確認する検査や、目の内部状態を細かく視覚化して調べるOCT検査を実施します。

中間透光体混濁

光は角膜と水晶体を通過し、眼球の中を満たしている硝子体を通って、網膜に像を結びます。「中間透光体」とは、角膜と水晶体、硝子体を総称した呼び名です。本来、中間透光体は透明ですが、何らかの理由で濁ってしまうことがあります。この状態が「中間透光体混濁」です。
眼底検査を行った時に、光を通過する部位のどこかが濁っていて、網膜の像を結ぶ部分に支障をきたしていることが発見されましたら、中間透光体混濁の診断が下されます。 混濁する理由は多岐にわたりますが、一番多いのは白内障です。白内障とは、水晶体が老化などによって白く濁ってしまう疾患です。また、白内障だけではなく、角膜の傷や炎症、硝子体出血なども原因になります。まずは眼科で検査を受けていただき、原因を見つける必要があります。検査は主に、細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)検査や、散瞳薬で瞳孔を広げる眼底検査で、目の中にある部位に異常が起きていないかを調べていきます。

学校検診

学校検診現在、多くの学校で行われている視力検査では、A、B、C、Dの4段階に分けて評価する「370(サンナナマル)方式」で子どもの視力を測っています。370方式とは、学校での学習に支障をきたさないかどうかを簡単に、かつ短時間で評価することができる方法です。しかし、この方法では目の状態を細かく調べられないため、視力の低下がみられてもその原因までは特定できません。
視力低下が起きている場合、何らかの眼科疾患が隠れていることもあります。そのため、早めに適切な治療を受け、深刻な症状が起きないようにすることが大切です。「見る」ことは勉強だけではなく、スポーツやその他の活動を行う上で、大きな影響を与える動作です。お子さんが視力検査で、「視力が下がっている」と指摘された際は、ぜひ当院へご相談ください。

子どもの視力低下

視力低下は主に、生活環境が原因で起きています。見るものと目との距離が近いと目が疲れやすくなり、視力低下を招いてしまいます。そのため、お子さんが本やゲーム、テレビなどに顔を近付けすぎていないか様子を見てあげてください。
また、ストレスや疲れ、不安などを抱えていると、焦点を合わせる筋肉により負担をかけやすくなるため、視力低下を引き起こす可能性が高くなります。

近視

近いところはよく見えますが、遠いところが見えにくくなる状態です。治療できる「屈折性近視」と、矯正器具を装着することで視界を回復できる「軸性近視」に分けられます。これらの近視を見分けるには、眼科医による適切な検査と診断が必要です。

仮性近視

目の酷使からくる眼精疲労が原因で、近視のような状態が一次的に起きる状態です。遠いところを見てから近いところを見ようとした時に、一時的にぼやけて見えるようになるのが特徴です。パソコン・スマートフォンなどの画面などを長時間見続けている生活を送ると、仮性近視になりやすくなります。初期は睡眠・休息をとることで回復できますが、毎日目を酷使し続ける生活を送ると本当の近視になってしまい、元の視力に戻るのが困難になります。治療法は目の状態によって異なり、生活環境を見直すことも大事です。

遠視

近いところも遠いところも見えにくくなる状態です。そのまま無治療ですと弱視といいまして成長しても視力が改善しなくなっていまいます。視力検査自体が、3歳児以降になってやっと出来るようになるので、なるべく早期に発見しまして、眼鏡装用やアイパッチ(片眼遮蔽)などの治療を開始する必要があります。

乱視

ものが二重に見えたり、ゆがんで見えたりする状態です。大きく分けると、角膜と水晶体のカーブが縦横の方向によって異なることで生じる「正乱視」と、角膜の表面が炎症などによって傷付くことで生じる「不正乱視」の二種類あります。先天的なものが多いのですが、角膜の手術を受けた後に生じるケースもあります。

診察・予約について

当院では、予約診療に対応しておりません。
混雑状況につきましてはお電話にてお気軽にお問い合わせください。
また、新学期シーズンである4月と5月は特に、学校の下校時刻でのご来院が多いため混雑する可能性が高いです。この時期と時間帯を外していただきますと、より待ち時間が少なくなり、速やかに診療を受けられます。

検査結果がお手元にありましたらお持ちください

学校から眼科への受診を勧められた方は、健康診断の検査結果をお持ちください。

幼児健診・3歳児

乳幼児期(生後0か月〜6歳程度)は、目の発達において極めて大切な時期です。この時期に目の焦点が合っていない状態ですと、両目で見て立体感を掴む力(立体視)や視力の発達に支障をきたしてしまいます。
3歳児健診はお子さんの目の発達を確認する上で、欠かすことのできない健診です。目の異常は早く見つかった時ほど治療しやすくなるため、お子さんの視力などの発達に問題がないかをぜひ、健診で確認しましょう。

子どもの視力発達

子どもの視力発達赤ちゃんの目の形は生まれた時から既に、ある程度完成されています。しかし、視力は未発達で、目の前がぼんやりと見える程度の視力を持っています。
視力は「ものを見る」経験で発達していきます。もちろん、目の発達スピードは一人ひとり異なりますが、3〜4歳になった子どもの71%、5歳になった子どもの83%が、1.0以上の視力を得るようになると言われています。
ものを見る経験を積むことで、身体の発育と一緒に視力もすくすくと成長していきます。

弱視とは

視力が発達する生後0か月〜6歳ぐらいの時期に強い屈折異常(網膜にピントが合わない状態)などがあると、 視力の発達が止まってしまいます。これが弱視です。
「目つきに違和感がある(斜視)」「よく目を細めてものを見る」など分かりやすい症状もありますが、目立った症状が現れないこともあります。

弱視の種類

屈折異常弱視 両目に強い遠視または乱視があることで発症するタイプの弱視です。
斜視弱視

強い遠視または乱視が片目にあることによって、発症するタイプの弱視です。

日常生活では問題なく過ごせてしまうことが多いため、3歳児健診では見過ごされてしまうこともあります。就学時健診でやっと弱視が見つかる子も多く、治療が間に合わずに視力の発達時期が終わってしまうケースも少なくありません。

不同視(ふどうし)弱視

何らかの理由で光が目の中に入らなくなり、視力の発達に支障をきたしてしまうことで発症するタイプの弱視です。

原因は主に、眼瞼下垂(がんけんかすい:まぶたが垂れ下がって黒目を覆ってしまう状態)や先天性白内障(生まれつき水晶体が白く濁ってしまう疾患)などがあります。これらの原因を、速やかに発見して治療することが大切です。

弱視は治るのか

弱視は早く見つけて治療を行うことで、治る可能性が高くなります。
治療法ですが、ピントを合わせて見る力をつけるために、眼鏡をかける治療を行います。
小さい頃から眼鏡をかけさせることに抵抗感を抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、お子さんの視力の発達のためにもぜひ、治療は積極的に行っていただきたいと思います。また、眼鏡の装着だけでは改善が難しい場合は、遮蔽法(アイパッチやタブレットを使った訓練)も一緒に行い、視力の向上を図ります。

3歳児眼科健診は必ず受けてください

視力が発達する時期が終わってから治療を行っても、残念ながら視力は発達できません。
そのため弱視を治すためには、早めに見つけて治療を開始する必要があるのです。生まれて初めて視力を測定する「3歳児眼科健診」は、弱視を早く見つける上で、極めて大切な健診だと言えます。
「うちの子は問題ない」と思いたくなるかもしれませんが、ぜひお子さんのためにも、健診は忘れずに受けてください。
また、健診の前には、ご家庭で視力検査の練習を行っていただくことが多いです。ご自宅での視力検査がうまく行えなかった場合は、健診時に申告して再検査を希望していただくことを推奨します。

まとめ

乳幼児は見え方に問題があっても、言葉でうまく伝えることができません。お子さんの将来のためにも、ぜひ視力の発達に気を配ってあげましょう。コミュニケーション能力が成長する3〜4歳頃に眼科健診を受けていただくことは、目の発達を確認する絶好のチャンスです。
当院では3〜4歳児眼科健診に対応していますので、お気軽にご相談ください。

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